2024年4月4日木曜日

【FAQ】電源のオン・オフ、LEDの配色について[システムバージョン:v3.629]

多くご質問いただいている内容について、本ブログにてご質問、回答を行ってまいります。


Q. 前面LEDの色はそれぞれ何を表していますか?
    オレンジ色と赤色のLEDは
それぞれどのような状態でしょうか?
    (Rivo/Primo共通)


A. 前面LEDの色は、それぞれ以下のようなLEDの配色、ボタンの役割となります。

 Rivo・Primo (画像はRivoのものです)

LED配色の詳細
本体がシャットダウンされた状態を表します。この状態ではネットワークやアプリに認識されず、再生を行うことが出来ません。
この状態でボタンを押すと、起動し、LEDが緑色に変化します。RIVOの場合、電源をつないで、本体背面スイッチをオンにすることで、このLEDが点灯します。




本体が起動中の状態を表します。この状態でも、ネットワークやアプリに認識されず、再生もされません。およそ2~3分ほどの間この状態が続き、しばらくすると、青色LEDに切り替わります。



本体がネットワークとの接続準備が整った状態を表します。VolumioOS専用アプリ、ネットワーク・アプリで認識を行う事が出来、ネットワークオーディオをお楽しみいただけます!
ボタンを長押しすることで、Volumio製品本体の「シャットダウン」(赤色LED表示)を行うことが出来ます。




オレンジ

本体がスタンバイ状態となっていることを表します。青色のLEDが示す「起動中」の状態から、電源ボタンを短押ししたり、アプリ・ブラウザで「電源を切る」操作を行うことによってこのLED色が示す「スタンバイ」の状態になります。ネットワーク・アプリからは認識でき、再生すると青色表示になります。また、この状態でボタンを短押しすることでも青色表示にできます。



※v3.629時点の情報です。

ご不明な点がございましたらVolumio製品サポートフォームよりお問い合わせください。

[Volumio製品サポートフォーム]
https://volumio.jp/contact.html


2023年10月24日火曜日

01.Volumioの誕生


Raspberry Pi(ラズベリーパイ)のRaspyFiとして


2023/10 オーディオライター 佐々木喜洋

 RaspyFiとの出会い 

2023年4月にトップウイング・サイバーサウンドグループがイタリアの Volumio 製品を新たに取り扱うと発表した。私自身も以前ラズベリーパイでVolumioを使っていたこともあり、発表会ではCEO のミケランジェロ・ガリーセ氏とそうした昔話に花を咲かせたりもした。私がVolumioを使い始めたのはもう10 年も前になるが、当時はRaspyFiと呼ばれていた。その時にはまさか自分がその開発者と日本で話をすることなど考えもしなかった。

この間にPCオーディオやネットワークオーディオはまっすぐ進化してきたわけではなく紆余曲折があったのだが、Volumio が今ここに残って大きく成長したのは驚くべきことだ。



その秘密を探るには、まず10 年前の 2013 年に話を戻すべきかもしれない。
始まりは本当に小さなひと雫だったのだ。

その頃「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」というシングルボード・コンピュータ(小さな基板だけの PC)が世間を賑わせていた。ラズベリーパイは元々、手に乗るような小型のシングルボード・コンピュータで、イギリスで教育目的として開発され、剥き出しの基板のみで販売されていた。価格はわずか4000円ほどだ。当時の秋葉原に集うような界隈には激震が走った。皆が飛びついたが、私もそうした一人だった。

ラズベリーパイを見た時に思いついたのは小型で低価格のPCオーディオに使えるのではないかということだ。しかしそのためには核となるラズベリーパイのOSが必要であり、そこまで自作することはできない。

そこでネット上のラズベリーパイのコミュニティで情報を探すことにした。実のところいくつかは見つかったのだが、当時ラズベリーパイでよく使われていたのはオーディオビジュアル目的のHDMI出力をメインにしたOSだった。しかし私が欲しかったのはUSB DACの母艦として使えるようなピュア・オーディオのためのOSであった。そしてやっと見つけたのがイタリアのミケランジェロ・ガリーセという人物が開発した音楽専用の「RaspyFi」とい うソフトウェアだった。そう、これがVolumioの前身となったソフトウェアだった。名前は "Audio Fidelity for Raspberry Pi" に由来する。


ソフトウェアとして説明すると、 RaspyFi はLinux のカスタマイズOSでディストリビューションと呼ばれているものだ。つまりはオーディオ向けのLinux OSである。RaspyFiにはMPDという高性能の音楽再生ソフトウェアが初めから入っていた。MPDは楽曲を管理して再生したり、コントローラーと通信する機能がある。もちろん標準でUSB DACを使用することができ、さらには音楽向けに軽くして音をよくするなどのソフトウェアの調整も行われていた。Volumioは初めからそうした細かい点まで考えられた、オーディオマニアのためのソフトウェアだったのだ。

 RaspyFi の理念は 
「5分で良い音が出せる」こと 


ミケランジェロ氏がRaspyFi を始めたのは学生の頃にターンテーブルで音楽の感動を知った頃に遡る。しかしハイレゾ音源ではアナログのように思うような再生ができなかったという苛立ちもあり、デジタルにおいての手法を探り始めたという。そうしてみるとオーディオマニアが非常に高価な「オーディオ用PC」を作っていることを知り同様に試していたところ、ラズベリーパイの発表を知って、これが自分の考える「シンプルさこそ究極である」の哲学に合致すると感じたそうだ。オープンソースのソフトウェアと安価なハードウェアを組み合わせることで、誰でも気軽に高音質なオーディオを楽しむことができる環境を提供することを目標として、ラズベリーパイに合わせたLinuxのディストリビューションを開発して公開したところ大きな反響を得たそうだ。その中の一人が遠い日本にいた私である。


私がそうしてRaspyFiを見つけた時には心が躍ったが、まず使えるようにしなければならない。そのためにはラズベリーパイにRaspyFiをインストールする必要がある。これにはネットからソフトウェアをダウンロードしてSDカードに格納して立ち上げるという手順が必要となる。問題だったのはソフトウェアが立ち上がるまではネットに接続すらできないので、基板だけのラズベリーパイにRaspyFi のインストールのためだけにHDMIでモニターを接続しなければならないことだ。もちろんキーボードも必要なことは言うまでもない。
当然このために小型のHDMIモニターやキーボードも購入した。

そしてOS がインストールできて、ネットに接続できるようになるとHDMIモニターやキーボードは不要となり、やっと本番の設定作業ができるようになる。
そして今度はiPadにMPDの設定用のアプリをインストールして、リモートで作業をする。
そしてラズベリーパイのIPアドレスを知るためにLinuxのOSのコマンドを叩いてネットワークアドレスを表示させることが必要となる。もちろんそのコマンドも自分で調べるわけだ。
これはその手のソフトウェアとしてはかなり簡単な法だが、実のところかなり面倒臭かった。

また多くの専門的な知識が必要となる。そしてここまでやってインストールがすんなり成功するとは限らないのである。
しかし、今のVolumioユーザーはもちろんこうした面倒臭さからは解放されているわけだ。これは「箱で提供して5分で良い音が出せる形が望ましい」というミケランジェロ氏の理念によるもので、いわばアップルのように完全な形でサービスとハードを届けたいという考えからきている。

 拡大するRaspyFi 


こうしてRaspyFiを無事に使えるようになると私がやったのは、安価な手製のネットワークプレーヤーを自分で作るということだった。RaspyFiのインストールされたラズベリーパイをオーディオ用PCに見立てて、まずラズベリーパイのUSB端子でUSB DACと接続する。ラズベリーパイにはアナログ出力端子もあるのだが、とりあえず音声が出せるという程度の音質でしかなかった。もちろんミケランジェロ氏もUSB DACを接続する想定をしていて、ラズベリーパイのUSBでの給電能力の確認もしていた。これはとても助かったのを覚えている。

またラズベリーパイに使用する5V電源は低品質のものが多く、ラズベリーパイは電源に起因する不調が多かった。このためミケランジェロ氏は自分でさまざまな市販の5V電源に繋いでテストして、もっとも安定して優れていた機材の情報も共有していた。
ちなみに彼はRaspyFiのためのオーディオ用のクリーン電源装置まで自作して、ノウハウまで公開していたのである。

 

ここでやっと市販のUSB DACに接続して音を聞いてみたのだが、その音質は素晴らしかった。よく聴く良録音の曲を本気で聞いてみたが透明感がとても高く、ウッドベースの歯切れも良い。ハイレゾは192kHz/24bit まで対応でき、さらにDSDのネイティブ再生まで可能だった。RaspyFiの音は手持ちのDACが生まれ変わるように優れた音質であり、動作も安定していた。
アップサンプリングまで可能だったが、当時のCPUではアップサンプリングをすると音が途切れてしまった。わずか4000円のコンピューターで大きなサウンドが出せるRaspyFiはこうして生まれてきた。RaspyFiの始動はトラブル解決を趣味の一つにしていなければ到底進めないようなものだった。ミケランジェロ氏自身もユーザーたちを引っ張っていき、RaspyFiのコミュニティも誕生したのだ。





03.Volumioの現在と未来

オーディオメーカーとしてのVolumio


 ハードウェア3製品の登場  



現在、Volumioのハードウェアはさらなる進化を遂げている。

まずVolumioを乗せたコンピュータはASUSからさらにオーディオに向き、性能の優れたKhadasに変更されている。そしてハードウェア部分も進化している。
初代Primoだけだったラインナップは、3種類に増えた。
(現行)Primo,Rivo,Integroだ。


これはVolumioに3通りの使い方があると言い換えることができるかもしれない。Primoは価格と性能のバランスを取った入手しやすい機種でDACを内蔵していてアナログ出力ができる。そのため後段に好みのアンプを組み合わせる人に向いている。
Rivoはマニア向け。やや高価だが優れた性能を持ったデジタル送り出し専用のトランスポートで、高性能単体DACを持っている人向けだ。そしてIntegroはDACのみならずスピーカーアンプやヘッドフォンアンプまで内蔵した一体型で 3機種の中で最も使いやすいモデルである。

さらにそれぞれのソフトウェアの最適化にはハードウェアとソフトウェアの組み合わせが必要になるため、ハードウェアは3機種ともそれぞれ音質に影響する重要なコンポーネントを考慮しながら個別にソフトウェアの調整がなされている。

これは3つの製品に対して、それぞれ最適のチューニングを加えているということだ。
そして製品群はどれもイタリアのフィレンツェでハンドビルドされている。


 音質への徹底したこだわり 



このように3機種ともに個性を持っていて、ポイントになるのは自分のシステムがどのくらいのレベルで、なにを必要としているかで選択が変わってくるということだ。
そしてそれぞれのモデルはオーディオ機器としての特徴を備えている。
現行のPrimoはシンプルだが素っ気のない黒箱だった初代Primoに対してデザインからすべてが再設計され、オーディオ機器らしいリビングに置いて映えるような美しい外観を得ている。ESS社のDAC ICである ES9038Q2Mは低ジッターを考慮したI2Sのディファレンシャル・コンフィギュレーションでデジタル入力部に接続されている。
デジタルトランスポートである Rivoの場合は電源フィルタリングに重点を置き、デジタル出力ごとに電源レールを分離し、USBリクロッキングには専用のICを使用している。


また、SPDIFデジタル出力に方向性電磁鋼板を用いたトランスを複数個使用し、デジタル出力のガルバニック・アイソレーションを確保している。こうした音質向上のための工夫はハイエンドオーディオ機材が行うようなものだ。デジタル入力をデジタルで出力するということは簡単なことのように思えるが、実は Rivoが開発にもっとも時間のかかった機種であるという。このような工夫によりRivoは接続されたDACの性能を十二分に引き出すことができる。



さらに驚いたのは Integroである。 Integroはスピーカーを駆動するアンプの部分はドイツのInfineon社が開発したフルデジタルアンプを採用している。フルデジタルアンプとはデジタル信号を直接アンプ入力できるようにした設計のことで、これによって入力から増幅までを全てデジタルで行うことができる。それに対して一般的なデジタルアンプでは DACとアンプの間でいったんアナログに落とすことが必要になるのでその変換工程で音質が劣化してしまう。フルデジタルアンプであれば全工程をデジタルのままで増幅できるのでそうした音質の劣化がない。Infineonのフルデジタルアンプはさらに多段階に増幅を行うことで音質を向上させる独自のノウハウも有している。
 

加えてヘッドフォンアンプも昔のオーディオのヘッドフォン端子のように単なるおまけのような扱いではない。据え置きのヘッドフォンアンプでも採用されるようなヘッドフォンアンプ専用IC を採用した本格的なものだ。実際に音を聞いてみると鳴らしにくいハイインピーダンスのヘッドフォンでも十分に駆動してしまう高い音性能を実現している。
このためにIntegroは手軽さが売りだと単純に言い切ることができない。前言と矛盾するようではあるが、単に Integroはカジュアルユーザーのための手軽な機材というだけではなく、このようにとてもオーディオ的に凝った設計がなされた個性的な製品なのだ。


この点でVolumioはもはやラズベリーパイのOSを提供するだけの会社ではなく、オーディオメーカーとして考えた方が良いということを感じさせてくれる。

 AI搭載で新たな次元へ 


そしてVolumioはオーディオメーカーとして日本にやってきた。10年前には考えもしなかったことだ。
前述のように私は発表会でミケランジェロ氏と少し話し込んだのだが、そのうち二つのことに気がついた。一つはこれまで述べてきたようにVolumioはもはやラズベリーパイの会社ではなく第一線のオーディオメーカーであるということ、そしてもう一つはそれならば単なる昔話をするだけではなくこれからの話を聞くべきだと思ったことだ。


そこでいくつかミケランジェロ氏にこれからの話も聞いてみた。そこで聞いたのはいずれVolumioを戸外でも使えるようにしたいということや、AIを使用してさらに使いやすくしたいというような将来の展望だった。
そしてそのうち一つであるAI の応用は既に実現されている。
最新のVolumioの"Super Search"機能だ。驚くことにこれは最新の生成 AIのChatGPTをオーディオの検索に応用したものだ。この機能においては「静かさと躍動的なパートが繰り返されるドラマティックな音楽」というように自然言語で曲の検索が可能となる。しかも生成 AI が誤答するという課題にも正面から取り組んでいて、他のデータベースとの併用で誤答を減らすという作り込みまでしているのだ。単にアイディアだけの機能ではない点にミケランジェロ氏の情熱と製品にかける真摯な態度を感じる。


今後のVolumioのさらなる進化も楽しみだ。こうしたオーディオの未来への積極的な取り組みを考えると、まだまだ Volumioは成長期でありつづけるだろうから。


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佐々木喜洋

個性的な海外オーディオ機器の音に魅入られてオーディオの世界に足を踏み入れ、やがてiPodなど当時勃興してきたポータブル機器にもオーディオ的なアプローチができないかと興味を持っていく。     
メーカーでの技術者時代にブログMusic To Goを運営開始してオーディオ関連の執筆活動を始め、海外の最新情報や技術的な解説が得意で人気を博する。やがて雑誌などにも執筆を開始。特にヘッドホンやポータブルオーディオ、PCオーディオに造詣が深い。コンピュータ分野では情報処理の国家資格を持つ。現在はASCII.jpにポータブルオーディオの最新情報の連載を執筆し、音元やCDジャーナル等のメディアなどにも執筆をしている。




02.Volumioの成長

RaspyFiからVolumioへ。
ラズベリーパイから専用ハードへ


 ラズベリーパイCPUの限界 


ミケランジェロ氏のソフトウェアは RaspyFiとして始まったが、好評を得て世界に広がるにつれてRaspyFiという名前がラズベリーパイに限定されてしまい、今後のより優れたハードウェアにそぐわないと彼は考えるようになった。ラズベリーパイは単に旅の始まりに過ぎないのだ。また、このようにマニアックなガジェットだけではなく、より広く音楽愛好家たちにアピールする必要も出てきた。そこでミケランジェロ氏は「Volumio」という言葉を考え出した。これはイタリア語で「私の音量」の意味を示す造語である。これは音楽愛好者それぞれに合わせた最高の音楽体験をも意味している。
 

こうして生まれたVolumio はネットの世界でも話題となっていった。Volumioはオープンソースソフトウェアとして開発されていたことも人気の一翼を担った。これはバグの報告による安定化への貢献のほかに多言語対応にも及び、それがユーザー層のさらなる拡大にもつながっていた。ミケランジェロ氏はコミュニティの重要性に対して、「結局のところ、私たちは音楽愛好家のために何かを作っているのだから、私たちが何を重要視すべきなのか、他の誰が教えてくれるのだろうか?」と語っている。ラズベリーパイは学習用であるがゆえに入出力に優れたデバイスで、USBのみならずHDMI、ネットワーク端子も初めから搭載されていた。さらには独自規格の40ピン端子でI2S出力まで可能だったので、これによって徐々にオーディオ専用拡張ボードも出始めてきた。


やがて2016年にはVolumioがタッチスクリーン対応になった。ラズベリーパイにタッチスクリーンを取り付け、専用のDACボードに専用のケースを取り付けるとそれなりにネットワークプレーヤーらしきものになった。はじめは基板だけの玩具のようなものだったが、徐々にプレーヤーとしても形が出来てきたのだ。独自端子を用いた専用のDACボードも増えてきた。しかし、この独自端子への移行は世界が広がるようにも見えたが、同時にハードウェアにラズベリーパイを使用することの限界をも意味していたのだ。


ラズベリーパイはもともと低年齢層や貧困層にもコンピュータを届けるというコンセプトの低価格コンピュータなので、簡易化・安価にするための工夫が随所にみられた。
例えば DACは高価なので搭載されず、内蔵のアナログ出力は簡易な変換回路を使って音を出しているのみだった。もっとも深刻なのは簡易化のため USBとネットワークのデータ帯域が共用されていたことだ。このためUSBの信号とネットワークの信号が同一経路で競合し正常に処理できないという事態が起こった。
Volumioはハイレゾ再生が可能でDSDのネイティブ再生までできたのだが、USB DACを使用中にネットワークを使うとクリック音やポップ音のノイズが生じるという事態になった。これはラズベリーパイに搭載しているCPUの限界も示していたのだ。


さらにラズベリーパイがストレージとして依存しているSDカードは、Volumioがこのリスクを最小限に抑える対策をしているとはいえ長時間使用すると故障しやすいものだった。ラズベリーパイ自体も2、3と進化していったが基本的には変わらなかった。オーディオに向いたハードウェアではないのだ。

 ハードウェアとソフトウェアのシームレス化を目指して 


そして 2018 年に初代 Primo (現在の Primo の前身) が開発された。 
Volumio専用のハードウェアを持ったネットワークプレーヤーだ。Primoはイタリア語で「最初」を意味する。


これはミケランジェロ氏が Volumioという名前に込めた哲学の実現にはハードウェアとソフトウェアのシームレスな統合が必要だと考えたからだという。音質と使いやすさを両立させたVolumioの能力をフルに発揮するためには専用のハードウェアが必要だった。それには専門知識がなくても誰でも箱から出してすぐに素晴らしい音質を得られるソリューションとして考案された。この哲学はいまでも変わらないとミケランジェロ氏は言う。


初代PrimoにおいてOSは初めからインストールされていて、先に書いたような大変な手間は必要がなくなった。そして核となるVolumioを乗せたコンピュータはラズベリーパイに変わってASUS Tinker Board が採用された。
当時はこうしたシングルボード・コンピュータがビジネスにも使われようと進化と多様化を遂げていた時代であった。Tinker Board はラズベリーパイに似たシングルボード・コンピュータだが、USB とネットワークはきちんと別々な経路として設計されていて、アナログ出力のためにDAC ICも搭載されていた。当時最新のラズベリーパイ3に比べてメモリーもCPU性能も余裕があった。これらによってハイレゾ出力も楽に可能で、ポップノイズも生じることなく、さらに透明度の高い音質を実現することができた。


さらに初代Primoには低ノイズの電圧レギュレータや高精度クロックなどのオーディオ用のパーツが採用され、DAC IC として ESS 社の ES9038Q2Mを搭載していた。入出力は有線・無線LANの他にRCAアナログ出力やS/PDIF デジタル出力も備えていた。


筐体もスイッチ類などのないすっきりとシンプルで美しい外観デザインもミケランジェロ氏の哲学をよく表したものだった。セットアップも簡単になり、内蔵の「ホットスポット」Wi-Fi に接続することでリモートで行えるという現在の製品群に近いものを備えていた。当時の海外の記事を見ても音質評価は大変に高いものだった。


こうしてVolumio は専用のハードウェアを持つに至った。


Volumioではまずミケランジェロ氏の音楽体験の向上に対する理想があり、それを達成するためにはソフトウェア単体だけでは難しいため、新たにハードウェアを開発するに至ったわけだ。ソフトウェアとハードウェアは密接に関連して調整が行われる。ソフトウェアがハードウェアと一体化したデバイス上で動作するので安定性が向上して、設定やアップデートが簡単に行える。なによりもオーディオに向いたパーツを搭載して、オーディオに必要な入出力を備えることができるのだ。










2023年8月21日月曜日

Volumio RivoがEISAアワードを受賞いたしました。





2023年に日本国内での取り扱いが開始されたVolumioブランドの第1弾、ネットワークストリーマーのRivoEISAアワード2023-2024を受賞しました。

EISAThe Expert Imaging and Sound Association)とは、ハイファイオーディオ、ホームシアター、写真・ビデオ、車載機器、モバイル・エレクトロニクスを専門とする29カ国58誌の技術雑誌、ウェブサイト、ソーシャルメディアのコメンテーターが参加するコミュニティです。毎年、専門家で構成されるEISA審査委員会は、各クラスの最優秀製品に栄誉あるEISAアワードを授与しています。
EISA公式ページ:https://eisa.eu/

受賞内容は以下となります。

Volumio Rivo

EISA DIGITAL PLAYER部門受賞


選考委員コメント(原文)

"One of a trio of new devices launched by Volumio and running the company’s eponymous software, the slim and stylish Rivo is focused on delivering high-quality digital streams to your DAC or integrated amplifier, without complication.
It’s an impressive marriage 
of well-crafted hardware and the proven Volumio software, allowing you to stream your own music library, play files from USB storage, and browse its myriad streaming options.
The remarkable flexibility of the software, including the possibility of adding further functionality (including DSP) via plugins, is as appealing as the Rivo’s ability to get the best from your chosen DAC."

訳(参考)
「Volumioが発表した3つの新デバイスの1つで、同社の名を冠したソフトウェアが搭載されている。スリムでスタイリッシュなRivoは、高品質のデジタル・ストリームを複雑化することなく、DACやインテグレーテッド・アンプに、複雑さを伴わずに高品質のデジタル・ストリームを伝送することに重点を置いている。
これは、よく練られたハードウェアと実績のあるVolumioソフトウェアの見事なマリアージュだ。自分の音楽ライブラリーをストリーミングしたり、USBストレージからファイルを再生したり、無数のストリーミング・オプションをブラウズすることができる。プラグインによってさらなる機能(DSPを含む)を追加できるなど、ソフトウェアの驚くべき柔軟性は、選択したDACから最高のものを引き出すRivoの能力と同じくらい魅力的だ。」


製品情報

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製品ジャンル: PCM768/DSD256対応ストリーマー

製品名:Rivo(リヴォ)

JANコード:8057717840032

発売日: 2023425

標準的な小売価格:165,000(税込)

製品詳細ページURL:https://volumio.jp/product/rivo.html

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デモ機貸し出しフォーム:
https://enzojfi.co.jp/DemoContact.html

2023年8月9日水曜日

【8/22発売】Integro発売のお知らせ

 



ネットワークプリメインアンプ

Integro

標準的な小売価格:203,500(税込)

発売日:2023822

 


Volumio OSを開発したブランドのハードウェア第3

ネットワークプリメインアンプIntegro(インテグロ)発売

 

Volumio Integroは、ダイレクト・デジタル・デュアル・モノ・Dクラス・アンプ・テクノロジーをスタイリッシュでコンパクトなデザインに収めたネットワーク・プリメインアンプです。


最高の音を直接スピーカーに

Integroは、スピーカーを接続すればプラグアンドプレイで音楽をフルに楽しむことができるハイファイ・システムです。これ以外の機器は接続する必要がありません。必要な部品構成がすべてコンパクトなデザインの中に詰め込まれており、どこでも好きな場所にIntegroを設置する可能性を与えてくれるのです。

 

見て触れるだけでもすばらしい外観

Integroは、Red Dot賞受賞に輝くDesign Narratives社とのコラボレーションの中で生まれ、すべての面で入念にデザインされています。

コンパクトなデザインに加えて、Integroの音楽性を実現する電子回路は、非磁性アルミニウムの筐体に包まれ、2つのオレンジ色のノブでボリュームのコントロールや入力の選択ができ、これがOLEDのディスプレイに表示されます。


 



 

音楽が本来のあるべき姿で響きます

Integroは、音楽を自分だけで楽しむことができる、世界でも最高音質のヘッドフォン出力とスピーカー出力を搭載しています。

ヘッドフォンアンプにはTexas Instruments社製のTPA6120A2DACには同じくTexas Instruments社製PCM5122を採用

スピーカー出力には、スペシャル・チューニングしたInfineon社のデュアルモノ・Dクラス・アンプモジュールを、さらに出力段にWIMA社製ポリプロピレン・コンデンサと高品質のインダクタを採用し、どんなソース機器から音楽を再生しても、Integroは最高にすばらしい音を細部までよみがえらせることが出来るのです。

*スピーカーと接続する際は、バナナプラグが採用されたスピーカーケーブルをご使用ください。

+」と「-」が接触し故障の原因となりますので、Yラグのスピーカーケーブルをスピーカーターミナルに接続しないでください。




 

必要な接続機能はすべてそろっています

Integroはシングルエンド・アナログ入力(RCA)と、光及び同軸の2つのデジタル入力を搭載しています。出力面は、サブウーファー用の出力も装備しており、HDMI出力を使用してVolumioOSOSD(オンスクリーンディスプレイ)メニューをモニタに表示することができます。USBポートを使用し、マウスやキーボードを接続することも可能です。 



 

Bluetoothによる優れたリスニングセッション

Bluetooth接続で音楽のストリーミング環境はとても便利になりますが、IntegroBluetooth aptXに対応することで、より高音質で音楽を楽しむことができます。ワイヤレス・ストリーミングが始まってから長い年月が経ち、今ではクアルコムのBluetooth aptXのおかげで、最高に音にうるさい人をも満足させることができるレベルになったのです。




ROON-Ready対応ストリーマー

IntegroRoon Labsが提供するROON-Readyに対応しています。ROONのシステムとシームレスに統合することが可能になり、IntegroROONのストリーミング・テクノロジーを使用することが認可され、妥協のないオーディオ・パフォーマンスが実現します。

 

IntegroDSDWAVFLACALACAACVorbisCueMp3などのあらゆるデジタルフォーマットに対応しサンプリングレート192kHz/24bitで内部で処理し再生しています。

また、UPnPレンダラーとしてIntegro内でメディアサーバーをブラウジングすることもできます。

オーディオ専用に設計されたアーキテクチャにより、妥協のないオーディオパフォーマンスとともに、使いやすさが大きな特徴です。

さらに、CDの再生やリッピング(別途接続するUSB外付けCDドライブを使用)、Webラジオ用のTuneInチューナー、UPnP/DLNACIFS/SMBNFSのサポートなど、可能性は無限大です。

Volumio 最新OSを内蔵

IntegroにはVolumioの最新バージョン(Volumio 3)がインストールされているため、パフォーマンスがいっそう向上しております。また、Manifest UIを選択することで、音楽コンテンツをシンプルに、直感的に操作できます。

数多くの機能をなめらかに操作でき、1台で様々な音楽を聴くことができる誇りを持って設計されたOSは、52万人以上の音楽ファンを魅了しています。

IntegroVolumio OSの定額プラン「Volumio Premium」がもつすべての機能をご使用いただけます。代表する機能は以下のとおりです。

 

・スーパーサーチ

AIを搭載した新しい検索エンジン「スーパーサーチ」に聴きたい曲を伝えると、あなたのために作られたプレイリストが届きます!

 

・関連するアルバム・アーティスト表示

お気に入りの音楽を聴きながら、楽曲表示上で新しいアーティストやアルバムを提案します。

 

・インフィニティ・プレイバック

プレイリストが終わりに差し掛かると、インフィニティ・プレイバックがあなたのミュージック・ライブラリから好みに合ったトラックを際限なく追加します。

 

・音楽とアーティストのクレジットを検索

お気に入りの音楽コレクションを読んで学びましょう。

 

CD再生とリッピング

最高の精度でCDを再生し、コピーします(CDドライブが必要です)

 

・マルチルーム・シンクロ再生

Volumioの複数の機器を接続して音楽をシンクロで再生します。

 

・自動バックアップとシンクロ

すべての機器をシンクロさせてバックアップを行います。

 

・デジタル・アナログ入力による再生

アナログ入力を持つUSBインターフェースを接続し、Volumioアプリで入力として選択し再生が可能です。



 

接続とコントロール

Integroは、Volumio公式のiOSAndroidのアプリを使用して、スタンバイからほんの数分で使用できるようになります。スマートフォンを何度かタップするだけで、アクセスやコントロールが可能になり、Integroの機器をお好みにカスタマイズすることもできます。セットアップとコントロールが簡単にできるのです。

シンプルなオーディオシステムを好む方や、サブシステムとしてご使用を楽しみたい方も。



多彩な音楽サービスに対応するプラグイン

Integroを使用して、SpotifyTidalQobuzなど、お好きな音楽サービスからストリーミングを利用することができます。また、Volumioのプラグインを使用して、さらに様々なサービスや機能に接続することができます。YouTubeSoundcloudMixcloudRadio ParadiseFusionDSPなどです。Volumio OSがあれば、ローカル・ドライブあるいはネットワーク接続されたドライブからコンテンツを取得したり、インターネット・ラジオを聴くことができます。



製品仕様

スピーカー出力:ステレオDクラス・アンプ、50W50W*

ヘッドフォン出力:ステレオABクラス・アンプ6.3mm標準プラグ300mW@64Ω/480mW@32Ω

サブウーファー出力:モノラル、ラインアウト 2V RMS

同軸S/PDIF入力:最大PCM 192 kHz 24 bit

アナログ入力:RCAアンバランスライン入力

内部サンプリングレート:192kHz/24bit

映像出力:HDMI 解像度最大4K

本体ディスプレイ:OLED 1.3” 解像度=128×64

USBポート:USB2.0×1USB3.0×1(外部ストレージ専用)

メモリー・カード・スロット:SDSC/SDHC/SDXC

LAN10/100/1000Mbps

ワイヤレス・ネットワーク:WiFi 802.11a/b/g/n/ac

Bluetoothコーデック:aptXaptX Low LatencySBC

UPnP/DLNARenderer with Open Home support

対応サービス Airplay (Shairport Sync),Spotify & Spotify Connect, TIDAL & TIDAL Connect, Qobuz.

利用可能なプラグイン:YouTube, Squeezelite, Radio Paradise, Podcasts, Pandora, Fusion DSP, Roon Bridge, Soundcloud, Mixcloud.

CPUAmlogic S905D3, Quad Core 1.9 GHz

RAM2 GB DDR4

内蔵ストレージ 16 GB EMMC

電源:24V/6A(ACアダプター付属)

サイズ:270mm×150mm×50mm

重量:1.3kg

保証期間:12カ月

標準的な小売価格:203,500円(税込)

EANコード:8057717840056

※仕様は予告なく変更になることがあります。

*バナナプラグを採用したスピーカーケーブルをご使用ください。

 Yラグを採用したスピーカーケーブルをスピーカーターミナルに接続すると、

+」と「-」が接触し故障の原因となりますので、使用しないでください。

【FAQ】電源のオン・オフ、LEDの配色について[システムバージョン:v3.629]

多くご質問いただいている内容について、本ブログにてご質問、回答を行ってまいります。 Q. 前面 LED の色はそれぞれ何を表していますか?      オレンジ色と赤色のLEDは それぞれどのような状態でしょうか?     ( Rivo/Primo共通) A. 前面 LED の色は...